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漫画インフレ論「封神演義」

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(2005/12/21)
結城比呂、増川洋一 他

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漫画において、パワーバランスを保つことは中々難しいです。
初期に最強レベルだったキャラがいつの間にか、そこらのモブ並みの弱さになったり、主人公が覚醒しまくってとんでもない強さになったり、、、、、



そしてパワーインフレを起こしてしまうと、いろいろ矛盾が出て来てしまったりして、読者が冷める要因にもなってしまいます。

週刊少年ジャンプと言えば、数多くのパワーインフレ漫画を世に輩出して来た、パワーインフレ界の大エリート雑誌
しかし、その中でも今回紹介する「封神演義」はジャンプコミックスの中で絶妙なパワーバランスを保った漫画であると言えよう。

(以下ネタばれあり。ご了承の上お読み下さい。)


【ストーリー】
封神演義は腐敗している中国の王朝を立て直すために、「封神計画」という計画に太公望という主人公が選ばれることから始まります。
中国の王朝を腐敗させている原因は、「妲己」という名の仙人が妖術を使って皇帝を操っているためで、その「妲己」及び彼女の部下を追い出すための計画が「封神計画」なのです。


まず、注目すべきはこの主人公の太公望ですが、、、、、

太公望



弱いです。
一応才能はそこそこある設定ですが、若いので実力的には大したことないです。
しかも、物語の終盤まで、実力的にはいまいち
ただし、頭脳がずば抜けている。その頭脳を持って戦闘力の低さを補っています。


実際、自分より実力の高い敵には頭脳を使って勝利するか、もしくは人海戦術でしか勝っていません。
よくジャンプコミックスにある、理不尽な覚醒はありません。(最後の方に一回だけあり)


漫画でよく起こるインフレ。。。。。。
漫画でインフレが起こってしまうのは往々にして、主人公を無理に強くしようとしすぎることにあると思います。多くの漫画においては、物語を盛り上げていくために、どんどんと強い敵を出していく。
初期に最強だった敵が実は、「しょせん奴は四天王の中で最弱。。。。。」というのはよくある話。


そしてそれらの敵を主人公が乗り越えていくというのがジャンプコミックスの王道。
それらの敵を主人公単独で倒すか、複数人がかりで倒すかによって、その後のインフレが決まります。ここで主人公による単独撃破にこだわってしまうと、大体インフレします
特に、主人公に才能がないという設定にした日には悪夢です。才能がないはずなのに大技覚えたり、何かよくわからない理屈でパワーアップしたり、、、、、、



その点この封神演義という漫画は絶妙!!
主人公の太公望が単独でボスキャラ級の敵を倒したのはなんと!!最後の戦いだけ!!しかもその戦いさえ、元気玉方式の勝ち方だったので単独撃破とはいえない!!

また、漫画では普通ボスキャラ級の敵を倒したら、次に出てくるボスキャラは遥かに強いボスキャラになるはずですが、、、、、
この漫画ではならない!!ボスキャラ級の敵は5人出てきますが、最後の宇宙人以外は全員大きな差はない



そしてこの封神演義という漫画の特徴としては、、、、、
一巻で既に「最強」の名を冠したキャラを出したこと。漫画において、どのようにボスキャラ級の敵を出すかは非常に重要。


最初に「最強」のキャラを出してしまうと、そのキャラ以上の実力を持った敵は出現しないので、物語はだれてしまうし、ボスキャラ級の敵の実力の天井が見えてしまう。


この問題に封神演義はどのように対処したか???


それは、「最強」キャラを物語から排除すること

しんこうひょう


こいつがこの漫画の「最強」キャラ。申公豹
こいつは一巻で早くも登場し「最強」と言われますが、、、、、、その後この漫画において、全く必要がないという扱い。
なんと、単なる解説役で、最後まで主人公と戦う描写はなし。つまりこの漫画において、最強キャラ=超えるべき敵ではない。

最強キャラを見事に置物にした藤崎先生。。。。。恐るべし!!
最強キャラを出しておきながら、そいつを戦わせないことにより、インフレを抑えたのです。この最強キャラを倒すべき敵として設定してしまうと、いずれ主人公と戦わせて勝たせなければいけない。その瞬間最強キャラは最強キャラではなくなるので、次の「最強キャラ」を作らなければいけない。。。。はいインフレ
という流れを見事に回避したのです。



じゃあ一体太公望は誰と戦うことになるのか?
初期に出てくるボスキャラが「妲己」

だっき

しかし、なんと驚き。。。。。彼女も最後までほとんど戦いの描写はなく、主人公と戦うことはほとんどなかった。一度直接対決したものの、そこは圧倒的な力で退け、それ以降は一切戦わず、結局地球と同化というよくわからない終わりを遂げます


こう読むと、封神演義にはバトル描写はないのかと思ってしまいますが、この漫画、バトル漫画です
しかし、ボスキャラ級の敵がことごとく主人公と戦わずに終了することで、敵の底が知れずに終わってしまう。


では、一度もボスキャラ級の敵と戦うことはないかと言うとそうではない。

Z.jpg

こいつが初めて、主人公達と戦う中ボス、趙公明。
物凄く強いはずなのですが、ギャグキャラなので、倒してもあまり凄いという感じがしない。しかもほぼ単独で倒したとはいえ、実際は太公望のペットであるカバくんがいなければ負けてた可能性大だったので、純粋に一人で勝ったとは言えない。
ここの見せ方も絶妙。



さて、中盤までボスキャラ級の敵が続々と出てきながらも、直接対決は一人のみという状態で進行していく封神演義ですが、この趙公明に勝ってからようやく、最強の中ボスとの対決が始まります。
読者に絶望を味わわせた「聞仲」様。

wwworg134701s.jpg


聞仲は登場は早く物語序盤から登場。
初めて主人公勢と対峙した時は、一人で主人公勢を一蹴。手も足も出ません
さて、その後主人公勢は数々の敵と戦います。しかも主人公である太公望に至っては、最強レベルのキャラである趙公明をも倒している。


そんな中、主人公チームVS聞仲チームの大戦争、仙人大戦が始まります。
主人公チームが押しまくる結果、聞仲チームはまともな戦力が聞仲一人にまで追いつめられてしまうのだが、、、、、、

そこからは絶望。

2.jpg

以前主人公は聞仲にこっぴどくにやられましたが、その実力は全く縮まっていなかったのです

聞仲さんの圧倒的な実力についてはこちらを


この聞仲をどのように倒したかというと、人海戦術。それも結構な人数を使っての人海戦術。しかも最後は自殺です。
聞仲の良さは、しっかりとダメージを受ける。最強レベルの敵の多くは、理不尽にダメージを受けないので、こいつ一体どうやって倒すんだよ、となる。
でも、聞仲はダメージを受けるんですよ。あくまで人間。しかし、強い。そのリアルな強さが読者をワクワクさせたのです。


結局、封神演義という漫画は、この聞仲との戦いが物語の大半を占めていました。その後は何かお祭り状態

そして、物語の大半を占めていた聞仲という敵の描き方が実に良かった。
あまりにも強いのですが、あくまで人間である。どうあがいても勝てないというわけではない
でも、主人公の覚醒みたいな、そんな理由では勝てない。あくまで聞仲と主人公の差は圧倒的で、それは最後まで変わらないのである



封神演義は本当に上手い具合にインフレを抑えていましたが、その理由としては、最強レベルのボスキャラの「格」を大事にしていたことにあると思います。


最強レベルの敵との差はそんなに簡単には埋まらない。そんなに甘くはない。だからこそ「最強」である。
そのことをしっかりと表現出来ていた。



まあ、聞仲を倒した後は、宇宙人と戦う、というとんでも展開でインフレしたのですが、もはやお祭り状態で明らかにラストバトルを意識していたので、それほど気にはならなかったです。


さすがに、聞仲の弟子である張奎とかいう若造が、「聞仲以上だ」とか軽く言われたことには衝撃を受けましたがね。。。。。。


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